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[医学書] Others その他

February 23, 2013

元厚労省職員が教える海外の医学部を卒業して日本で医師になる方法 (YELL books)4

えー。。。お久しぶりでございます。
このブログも前回の更新が一年以上になるのですね。

私事ですが、実は今日本に一旦帰国してまして都内の某病院にて臨床研修をしています。まぁ国家試験受かったんだし研修とかも一応やっとくぅ? てな感じでそんな流れになったんですが、帰国時のドタバタもありすっかりブログの存在を忘れておりました(呆

日本での臨床研修の体験談はまたの機会にするとして(いつになるのやら!?)今回はまずこの前本屋で偶々見つけた本を紹介しようと思っています。医師国家試験受験資格認定に関する本です。今でも、まれ〜に海外の医学部の方からメールかコメントで質問があったりするので(もし返事を返してなかったら大変申し訳ないです。。。)そういった方にはお奨め出来ると思います。

今まで全く無かった本

この本は、「海外の医学部を卒業して日本でも医者になりたいんだけどどうやって申請すればいいんだろう」とか、もしくは「海外の医学部に在学中なんだけど日本で将来働けるのかな?」という方に向けて作られた本です。

ちなみに、海外の医学部への入学の仕方のノウハウ等は載っていません。

完全に「どういう風に厚生労働省に申請をしたら良いか」、申請の良い例、悪い例等が載っていて、その事に関しては具体的な説明が書いています。また、日本語診察能力調査のこのについても触れてあったり、ま予備試験の事についても述べてあります。予備試験は僕は受験しなかったので、内容は殆ど読みませんでしたが。。。

既に書類審査を受け、その審査に通過し、その過程を実体験で経験済みの自分としては、内容的にはこの本に物凄く目新しい事が書かれているとは言い難いですが(というか自分にとってはもう必要ない本)、やはりこういう紙媒体でそれなりに詳しく、具体的に書いてあるというのは今までなかったのでそういった意味では一部の人にとっては価値のある本ではないでしょうか。

タイトルが「元厚労省」と書いていて中々インパクトがあり、僕も「これ本当かよ〜」とか半信半疑で読んでいったのですが、内容を見ていくと、役所内部の人間、もしくは申請した本人しか持っていない書類などが本に掲載(流出?)されていたりして、「これ載せちゃって良いのかな?」なんて思っちゃいました。申請書類や外国の医師免許も名前は伏せてあるけど掲載してるし。。。

そんなBUBKA(c白夜書房)チックな本。。。でもないですが、海外医学部出身で日本の国家試験受験を考えている方は読んでも損はないと思います。

ただ付け加えると、この本でもその事について触れてありますが、今後更に申請の仕方などが変更になったり、申請制度自体が中止になったりする可能性もあるので、十分な注意が必要だと思います。また、こういった本があり、しっかり申請しても必ずしも国家試験が受けられる訳ではないという事に留意しておかねばいけませんね。。。


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October 14, 2011

The Medic's Guide to Work and Electives Around the World4

今回紹介するのは、ちょっとユニークな本です。教科書や参考書では無く、Medical Electiveについてのガイドです。

Electiveのすゝめ

Electiveとは、医学部高学年の時に海外にいったりして他の国の病院やクリニックで見学や研修をする事です。日本語で直訳すれば、「選択期間」とでも言えるのでしょうか。時々、週刊医学界新聞などの医学系メディアで医学生の「米国○○病院での研修体験記」とかいう記事ありますよね。そう! それの事です。(説明が適当ですみません。。。)

日本では、状況は詳しく知りませんが、海外などでは大体2ヶ月から6ヶ月(米国で知り合ったドイツの医学生は6ヶ月もありました。。。羨ましい。。。)、こういった期間を医学部のカリキュラムとして組み込んでいます。僕の場合アメリカに2ヶ月いました。また、どちらかというとこういった海外実習の期間は医学の知識がまだIntegrateされていない低学年の時よりも、医学部低学年のElective termは医学部最終学年、もしくは最終学年の前の年(5年生時など)に行われる事が多いです。まぁ国によっては(例: アメリカ)実習はただの見学ではなく、チームの一員としてAdmissionやWard Round、治療プランに関わるなどSub-Internshipの様にある程度の責任を持ち、内容が濃いものまでありますので、5, 6年生の時に行うのは当然と言えば当然ですね。

ちなみにこのElectiveというのは、カナーリ楽しい期間なんです。勿論、研修する場所にもよるんでしょうけど、基本的にその期間中は医学部内のテストが無い訳で、実習に集中出来るし(これって超重要)、世界中の様々な人と、医学という名の媒体を通じてのグローバルコミュニケーションが出来るっちゅうのはとてもエキサイティングなんですな。勿論、他の国の病院で研修する事で学ぶ事は非常に多いですし、医学の知識だけではなく、その国の医療や医学教育に触れる事で、自分の国(日本など)のシステムの良い所、悪い所も客観的に再確認出来たりするのでそういった意味でも大切な期間なのです。

臨床留学の観点から言いますと、米国でのレジデンシーに応募する時の為に医学生の時に米国で実習し、Attending Physician等から強力なLetter of Recommendationを頂戴するというのは極めて重要なのです。米国だけでは無くオーストラリアでも、色々と病院が海外からの学生を受け入れていますので、もしちょっとオーストラリアの医学留学に興味があるという方はこういった機会を使って行ってみるのはとても良い事だと思います。英語の練習にもなりますし。

また、学生の時に一回でもこういった海外で見聞を広めるのはとても大事だと思います。自分の好きな国に短期留学して医学を学べるElectiveは学生の特権で、一回医者になってしまって働き始めると忙しくなってしまって中々こういった短期留学の機会は無いので。。。(医者になるとそれを実感します) また、米国では医療訴訟関係の問題が大きく存在し、訴訟リスクの比較的低い医学生だったら研修先の病院が保険をカバーしてくれたりするので患者さんと話したり、カルテを取ったり、Supervisionの中で手技を行ったり手術の際手洗いに入ったりする事が出来るんですが、医師になって、一旦訴訟リスクが生じる場合になってしまうと、米国ではObservershipといって、患者さんとの直接のコンタクトは許可されなくなったり医療行為が禁じてしまう場合が殆どなので、チームの見学(shadowing)をする事しか出来なくなったりします。。。なので、推薦書をもらう際もObservershipを終えた、というよりもElectiveでSubinternshipを終えた、という場合の方が推薦書として有利になるので、そういった面にも注意が必要となります。

さて、Elective期間の時にどこに行こうか、どういったプランを立てるかというのは休暇の旅行計画を立ててるみたいで結構ワクワクします。海外旅行に行く前の夜どきどきしてちょっと眠れないみたいな。それに海外に行っても24/7でずっと病院に住み着いて実習する訳ではなく、やっぱり息抜きの観光や旅行もElectiveの期間中する訳ですしね。

そんなElective termなんですが、所属している医学部によってはすでに提携している海外の医学部への短期留学プログラム等があります。そういった場合は学内で応募して、「TOEFL何点取りました」とか、「USMLE Step 1既に合格しましたけどー」とか応募の申請用紙で自己アピールしたり、学内面接等で選ばれれば、無事に短期留学のチャンスを得る事が出来ます。

ただ、大学によっては、自分自身が行きたい所への短期留学プログラムが無いとか、そもそもそういった留学プログラムが全く無い、という事もあり得ると思います。「将来アメリカで臨床研修したい! その為にはアメリカでElectiveをやってしっかり推薦書をもらいたい!」と思っても全くアメリカの医学部への短期留学プログラムが無かったりね。。。また、何となく海外実習したいんだけど何処に行けば良いか分からないとか。。。

この本はそういった人の為の海外の病院実習ガイドです。

はい。いつもの如く前置きが長いですね。。。すみません。

医学生と医師のための地球の歩き方

さてさて、この本はイギリスの医学生や医師によって主に編集されているみたいで、情報としては、やはりAnglo-Saxons系の国での情報が多くイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどの国の情報に多くのページが割かれています。実際にこういった国は臨床留学の行き先でも一番人気ですよね。ただ、アフリカ、東南アジアなどの留学先としてはややマイナーな国や、さらに貧困国や「こんな国の名前今まで聞いた事ないよ」的な国の情報も載ってたりして、国境なき医師団など医療を通じての支援活動に興味のある学生にとっても納得出来る内容になっています。そのように、色々な国の情報が載っているので、少しパラパラめくって読んでいくだけでも観光ガイドブックを読んでいる感じになって正直結構楽しいです。肝心な我が国、日本ですが悲しいかな、英語があまり通じない国という事もあってElectiveの行き先としてはそこまで人気が無いようで情報は少なめです。

それぞれの国の情報では、国の基本情報(言語など)、医療に関する簡単な情報、Electiveをする為の条件(ビザに関する情報など)、その国で働く条件(医師免許制度など)などが書かれており、そういったIntroductionの後に、国内の都市・地域の基本情報、そしてその地域で海外からの実習を受け入れている病院の詳細(住所、問い合わせ先)などが載ってあります。病院の中にはコメントが掲載されているものも多くあり、実際の実習内容や必要な費用、アコモデーション、街の治安、周辺の観光地などのちょっとした役立つ情報があるので、Electiveの行き先を選ぶ時には参考になると思います。時々、「この病院の実習は楽なので、ちょっと気楽なエレクティブを楽しみたい人にはおすすめ」などと、医学生のQOLに関する事まで書いていたりします。。。!笑

先ほどふれたように、既に自分の大学できちんと短期留学プログラムが存在し、その留学先の情報が十分あればこういった本は別に必須本では無いですが、あまり良く分からないけど学生のうちに海外に行ってみたい! という人にとっては、役立つと思います。また、卒業した先生にとっても、米国でのObservership(見学)に応募する場合だとか、マッチングに望む際の基本的な情報収集だとかそういった色々な用途にこの本は使えると思います。

The Medic's Guide to Work and Electives Around the World
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