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[医師国家試験] 医師国家試験受験資格認定

February 24, 2013

日本語診察能力調査

医師国家試験受験認定についての記事の続きです。前回は書類審査のお話でしたが、今回はさらに次のステップ、日本語診察能力調査についてです。

この調査はまぁ平たく言ったらOSCEですね。内容は後に説明します。

この調査は外国の医学部卒業者で、書類審査を「合格」した人のみが受験出来ます。もし残念ながら書類審査で「合格」出来なかった場合は、合格率が低い医師国家試験予備試験を本試験の前に受験しなければならなかったり、最悪の場合は受験資格が全くなくなってしまうケースもありえます。

この調査は医師国家試験受験資格認定を得る為の最後の壁なので、何とか日本で医師になる為のスタートラインに立ちたいところです。ただ、この日本語診察能力調査は周りを見ていると合格率は高いので、あんまり心配しなくても良いと思います。

さて、調査の前のプロセスですが、書類審査が無事に終わって、それに合格すると厚生労働省から連絡が来ます。僕の場合は2010年7月末(丁度締め切りの頃です)に書類審査に必要な書類を全て提出したのですが、9月10日に日本語診察能力調査の実施日程に関するメールが届いて、さらに後日郵送にて関連書類が送られてきました。

実際に来たメールの内容です。

日本語による診察能力調査の実施について

医師国家試験受験資格認定申請者 各位

平素より大変お世話になっております。厚生労働省医政局医事課試験免許室国家試験係 ○○ と申します。標記について、下記のとおり実施いたしますのでお知らせいたします。詳細につきましては、翌週ご郵送いたします実施通知をご覧になりますようお願いいたします。なお、来週中に実施通知がお手元に届かない場合は、○○宛ご連絡いただくようお願いいたします。



日時 平成22年10月25日(月) 午後2時30分〜午後6時15分(午後2時00分集合)会場 厚生労働省17階 専用第21会議室


関連書類の中には、どういった物を試験に持って行くべきかなどが書かれています。連絡のメールには、書類審査に合格したという文は書いていなかったのですが、まぁ診察能力調査の案内が書かれてあったので、その時はほっとしました。メールの内容には、日時、実施場所などが書かれてあり、また送られてきた書類には、その試験場所に持っていくべき物などが記されていました。

ちなみに、2010年の時は、10月25日に日本語能力審査が行われました。試験は省のウェブサイトでもある通り、10月から11月の間に行われますが、書類審査が終わらないと試験の日程というのは教えてくれないみたいです。去年はどうやら試験官である先生のスケジュールの都合もあり、すぐには日程が決まらないという事が理由としてあったみたいでした。海外に住んでいる人にとっては仕事の調整もしないといけないので、出来るだけ早くスケジュールを教えてもらった方がありがたいんですけどね。。。まぁ仕方ないっす。

あと、僕の場合試験が10月25日午後で実施されていたのですが、受験者の数によって、試験が二回に分かれていたりする事もあるみたいです。(2009年は確か、二日にわたって試験が実施されていたのかな? それとも同日午前中に行われていたのかな? ちょっと覚えていません汗)

そして実施場所なんですが、2009年も2010年の時も厚生労働省で行われました。。。ただ、実施日時や場所などは、今後変更されていくかもしれませんので注意が必要です。


大きな地図で見る

さて、その調査の内容なんですが厚生労働省のウェブサイトの転載を用いて解説をしていこうと思います。

5. 日本語診療能力調査について

日本語を用いて診療するために十分な能力を有しているか否かを調査する。

この調査は、確かにスタイルとしてはOSCEに似た部分もありますが、あくまで着眼点は日本語をきちんと医療の現場で無難に使いこなせるかどうか、という事だと思います。海外。。。例えばイギリスやオーストラリアの卒業試験では難易度の高いOSCEやViva(口答試験)がありますが、そこで大切な部分はプレゼンテーションスキル含む語学力だけではなく、医学の知識、論理性、簡潔性なども求められます。この調査はそういった一定の高い次元での医学知識やスキルをテストするといったものではなく、あくまで日本で病院にちゃんと医師として働く為のコミュニケーションスキルはあるか、というのが大事なポイントです。

(1) 調査委員

ア.医師国家試験受験資格認定
内科、外科、小児科、産婦人科を専門とする医師国家試験委員を各1名


試験委員は4人いる事になっています。調査委員の先生は発表されないので、どういったケース/病態がテストされるかを予想するのは難しいのですが、調査委員の専門の科はこの4つだけなので(内科、外科、小児科、産婦人科)それ以外の科の事はあまり気にしない方が良いかなと思います。(耳鼻科とか、精神科とかそういったマイナー教科のことですね。)

(2) 調査内容

日本語の診療能力を調査するために必要と考えられる程度の医学に関する内容について試問する。


2010年は以下の様な感じでした。当時の記憶を詳しく思い出せないかも知れませんが、ご容赦ください。

10月25日は集合時間が午後2時(試験開始時が2時半)となっていましたので、新宿のホテルを1時過ぎくらいに出発して、東京メトロ霞ヶ関駅から徒歩0分、厚生労働省には2時前に着きました。
書類審査申請が7月末だったので、三ヶ月ぶりの厚生労働省。明らかに故郷の親に会う回数よりも厚労省に行く回数が多いのはさておき。

霞ヶ関駅から厚生労働省の地下の入り口はほぼ直通で繋がっています。省内に入るには、受付にて身分証明書を見せて一時通行証を受け取らないといけません。もう受付の人は受験者のリストを持っていたようで、氏名を紙に書いて、免許証を提示したらすんなり通行証をくれました。

通行手形をもちながら関所、もといセキュリティーゲートを抜け、エレベーターに乗り17階の会議室へ。

会議室ではもうすでに殆ど他の受験者の方達が座っていました。(というか、自分がぎりぎりの時間に来たというだけなんですが。。。)数は大体15人くらいでしょうか? 外見から見ただけでも色々な国のバックグラウンド - アジア、ヨーロッパ、南米の人達がいました。勿論日本人で海外の医学部を卒業した人もいました、僕も含め。

まぁ今は試験時間ではないから少し周りの人と雑談を。。。と思って、話しやすそうな方に失礼ながらちょっかいをかけて、話していました。そんな事をしているうちに試験はスタートしました。

午後2時半から午後6時半までが試験の時間でした。
4時間も日本語をしゃべくりせなアカンのかいな! と心配される方もおられるかもしれませんが、勿論実際のテスト時間はせいぜい30分にも満たず、あとはずっと待ち時間でした。一人ずつ順番を待って、呼ばれたら試験官、患者役の方(先生?)がいる別の部屋に入り、そこでクリニカルシナリオが開始するといった感じで試験は進んでいきました。

待ち時間が多く、一つのアドバイスとして言える事は、この試験には参考書などの何らかの本を持ってくる事を強くお奨めいたします。試験中ではあるものの本を読むことは許可されていました。勿論他の人と話すのは禁じられています。

ちなみに、2010年度の話ですが、二つのクリニカルシナリオがありました。
詳しい内容はもう忘れてしまったのですが(汗)、一つは産婦人科からのケース(若い女性の月経異常とか不正出血だったような気が)、もう一つは中年男性の体重減少、おなかの痛みなどの主訴で、識別診断として胃癌などの腹部の悪性腫瘍や膵炎、胆嚢炎などが考えられるケースでした。これは内科、もしくは外科のケースになるのかな。。。? 2009年度はどうも他の人の話を聞いていくと、4つのケースがあったみたいなので、年によって、色々違ってくるかもしれません。小児科のシナリオはありませんでした。

それぞれ短い10分程度の症例で、問診を行い、その後に指定された紙に内容をカルテの様に書き込んでいくといったものでした。

例として二例目では:

患者「実は、お腹のこのあたりが痛いんです。」
医師「どういった痛みでしょうか?」
患者「鈍い痛みなんですが。。。時々食事の後に出てくるんです」
医師「吐き気や実際に吐いてしまう事はありますか?」「便が黒くなってしまう事はありますか?」…

こんな感じで会話をしていたと思います。

また、患者役の方は本当の患者さんではないので身体所見を取ったり、血液検査や画像検査は出来ないのですが、診察のシミュレーションとして問診の後半になると体のどの部分の診察を行うか、また検査を行う場合はどの検査を行うかを言わなければいけません。

例として:

「腹部の触診を行いたいと思います。」→「心窩部から右季肋部にかけて軽度の圧痛あり、反跳痛、筋性防御は認めない。」
「ヘモグロビンはいくつでしょうか?」→「Hbは9.7g/dlです。」

みたいな感じでした。

で、その後はすぐにカルテを書いていくのですが、如何せん5分くらいでは、ちゃんとしたカルテを書くのは難しく、殆ど漢字もきちんとかけず書きなぐりの状態でした(汗
それでも合格していたので、文章は漢字含め完璧な文章じゃなくても良さそうです。

あと、色々調べてみると、2009年の調査では、聴診器を持ってくるのが必要だったみたいで、恐らく実際にPhysical ExaminationをするというちょっとOSCEに似たスタイルだったのかもしれませんが、2010年は聴診器を持ってこなくても良いという事が通達されていました。これを知った時、「もしかして、厚生労働省の方で診察に必要な道具は用意されているのかな?」と、最初は思いましたが、蓋をあけてみると、実際には全く必要なかったです。

年によって試験内容も若干の違いが見られるように、今後も色々な形式で試験が行われていくと思います。前の記事に少し書きましたが、厚生労働省は日本でも導入されるかも知れないOSCEのパイロット試験として日本語診察能力調査を位置づけている、という情報もありますので今後の変化に要注意です。

(3) 評価項目

以下の領域について評価を行う。

ア) 発話力
相手(患者、医師等)にわかりやすく説明又は指示を与えることができるか。また、適切で誤解のない表現を選ぶことができるか。


これは、普通に日本語での会話が出来、基本的な日本語での問診の仕方が分かっていたら恐らく問題無いと思います。問診する大まかな順序や内容は、言語は違うかも知れませんが殆ど変わらないのでは、と思います。

しかしそれでも慣れない日本語での問診は緊張してしまいますから、試験に臨む際は落ち着いて一つ一つの質問、説明を分かりやすい表現で行っていくように努めましょう。

イ) 理解力
相手(患者、医師等)の言うことを理解することができるか。また、適切な質問を自らすることによって、疑問を克服することができるか。


シナリオ中、問診で相手に質問してその答えが返ってきた時にしっかり理解出来るかどうか。後は試験中でもありましたが、問診中患者さん側からの質問もあったりしますがそれを分かるかどうか、みたいな事だと思います。

例えばさっきの二例目の腹痛の患者さんでは

「私は。。。癌なんでしょうか?」

みたいな質問をされた事もあります。
そういった質問も、患者さん側の気持ちをきちんと理解し、適切な答えを返していけば良いと思います。

あと、厚労省の文章にかかれている様に、医師対患者だけではなく、医師対医師のシチュエーションも考えられます。2010年では、医学用語で身体所見や検査所見の内容を聞いて理解出来たかどうかが問われました。僕の年には無かったですが、他の例としては、他の医師から患者の簡単なプレゼンテーションを受けて、それを理解出来るか? みたいな事も今後ひょっとしてあるのかもしれません。(その逆で、他の医師に患者のプレゼンを行うようなシナリオも今後あるかも知れません)

ウ) 作文力
基本的な医療記録を日本語(仮名混じりも可)で作成できるか。


ここは皆が比較的苦手にしているところでは無いでしょうか。
この試験を受ける海外生活が長い人の中には日本語の会話は問題なく、本など読んでいるけど、あまり日常書く必要のない漢字は苦手という人は多いはずです。
さらに、書かないといけないのは殆ど慣れていない日本語での医療文書だったりするのも苦手意識に拍車がかかったりします。

作文力を向上させるにはやはり練習あるのみ、という事なんでしょうが、一番大事なのは、日本語でのformatをしっかり理解しておく事が大事だと思います。

例えば、カルテに初診患者の事を書き込む時は大体フォーマットが決まっています。例えば上記の腹痛の患者だとしたら。。。

症例: 62才男性
主訴: 腹痛
現病歴: 2ヶ月程前から心窩部痛が出現し、暫く医療機関を受診せず様子をみていたが痛みは改善せず、さらに1週間前から黒色便が出現し、この2ヶ月間の約5kgの体重減少を認めた為平成○○年□□月△△日当院受診となった。
既往歴:高コレステロール血症
生活歴: 喫煙 - 20才時から一日20本/day 飲酒 - 一日ビール大瓶一本/day
薬剤歴: 無し アレルギー - 無し
家族歴: 父 - 大腸癌

みたいなフォーマットがあります。(内容はフィクションです)

他にも胸部レントゲンのプレゼンテーションとしては:

これは◯◯さん(患者さん)の胸部X線写真の胸部立位正面(PA)/胸部立位側面(LAT)/胸部臥位正面(AP)像です。
放射線量は適切です。(中央陰影を通じて椎間板がみえるかどうか)//放射線量は適切ではありません。
深呼吸時に撮影されています。//深呼吸時に撮影されていません。
(画像を指差し)右上肺野/右中肺野/右下肺野/左上肺野/左下肺野に約◯◯cm x ◯◯cmの単発性/多発性/びまん性で辺縁(へんえん)の明瞭/不明瞭な結節影/腫瘤影/浸潤影/スリガラス影/空洞影/びまん性網状粒状陰影(びまんせいもうじょうりゅうじょういんえい)が疑われます。
肋骨横隔膜角(Costophrenic angle)が正常で鋭角です。//肋骨横隔膜角が鈍化し、胸水の所見が認められます。
右肺門部/左肺門部に肺門部陰影/肺門リンパ節腫脹/肺うっ血を認めます。//肺門部陰影/肺門リンパ節腫脹、肺うっ血は認められません。
心胸郭比(CTR)は50%以上で心拡大の所見が疑われます。//心胸郭比は50%以下で心拡大の所見は認められません。
肋骨には骨折/石灰化などの所見はありません。//◯◯に骨折/石灰化の所見が認められます。
以上の胸部X線所見から、◯◯、◯◯などの病変が疑われます。

こんなフォーマットがある訳ですね。

まぁ上記の二つのやり方をそのまま丸暗記しなくても良いですし、これらは勝手に自分で作って雑になってしまって実際あんまり参考にならないかもしれませんが。。。汗

要するに大切なのはそういったフォームにまず慣れていく事だと思います。

エ) 語彙数
日本で通常用いられる医学用語を理解し使用することができるか

つまりはボキャブラリーですね。
医学用語はどの言語でも膨大で、漢字の読み方さえ難しくて分からないものが多いと思います。これはどうやって培えば良いのでしょうか。

これについて僕の意見としては、医師国家試験の勉強を書類審査が通ったらさっさと始めるという事に尽きると思います。

書類審査を通過した時点で本試験への道のりはぐっと近くなります。
この日本語診察能力調査で落ちる人はあんまりいないですし、またこの調査が終わる頃には10-11月と本試験までの時間も結構限られたものになっています。

なので、自分の中の語彙数を増やすのもかねて、国家試験の勉強をしていけば良いと考えます。地道な作業にはなりますが、国家試験の勉強中読み方が分からない、もしくは意味が分からない単語が出たらそれを電子辞書やインターネットで調べたりしてこつこつと言葉を覚えていきましょう。あんまりコレに関しては近道はないような気がします。(ただ、予備校のビデオを見てたり、予備校に通っている人は直接医学用語を聞けたりするので、それにより専門用語も覚えやすくなるとは思います。)

(4) その他

書類審査においては基準を満たしていたが、日本語診療能力調査において基準以下であった者については、医師国家試験予備試験受験資格認定を受けることができる。

もし、この試験に合格出来なかったら。。。あんまり考えたくないことではありますが、実は二つチョイスが選べるみたいです。

1. 上記の通り予備試験を受ける
2. 来年もう一度日本語診察能力調査にトライする

コレ。。。当たり前になりますが、一番目の選択をする人はいないと思います。予備試験を受けても合格率は10%くらいだし、もし合格してもすぐに本試験を受験出来る訳ではないし。。。2.を選べるのは、一応書類審査には合格しているから再度日本語診察能力調査に挑戦する資格はあるみたいです。その手続きの詳細はちょっと詳しくはありませんが、とりあえずもし落ちてしまってもそんなに落胆することではありません。。! (^^)

長く書いてしまった日本語診察能力調査の記事ですが、もう一度言いますと、そこまで心配をしなくても良いというのが僕の意見です。そもそも、書類審査を通るのに、日本語能力試験一級の資格を持っているか、もしくは日本の高校卒業である事が条件になっていますので、日本語能力に問題があるという方は殆どいないと思います。まぁ日本語能力試験には医学用語は含まれていませんが。。。

あと、時間があれば(迷惑にならない程度に)試験前に他の受験生の方とお話してみるのも良い事だと思います。海外の医学部を卒業した様々なバックグラウンドの方がいて、色々なお話を聞かせてもらい、連絡先を交換した後も国家試験を終わった後一緒にご飯を食べにいったりして、今思えばこの調査試験も良い経験だったな、なんて思います。

最後に。。。何回も言ってしまいますが試験の日程、時間、内容などは大幅に変わる可能性もあるので、気をつけてくださいね。あくまでも一個人の体験として軽く読んでいただければ、と思います。

次は、実際に使える(かもしれない)本などを紹介していきたいと思います。



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February 23, 2013

元厚労省職員が教える海外の医学部を卒業して日本で医師になる方法 (YELL books)4

えー。。。お久しぶりでございます。
このブログも前回の更新が一年以上になるのですね。

私事ですが、実は今日本に一旦帰国してまして都内の某病院にて臨床研修をしています。まぁ国家試験受かったんだし研修とかも一応やっとくぅ? てな感じでそんな流れになったんですが、帰国時のドタバタもありすっかりブログの存在を忘れておりました(呆

日本での臨床研修の体験談はまたの機会にするとして(いつになるのやら!?)今回はまずこの前本屋で偶々見つけた本を紹介しようと思っています。医師国家試験受験資格認定に関する本です。今でも、まれ〜に海外の医学部の方からメールかコメントで質問があったりするので(もし返事を返してなかったら大変申し訳ないです。。。)そういった方にはお奨め出来ると思います。

今まで全く無かった本

この本は、「海外の医学部を卒業して日本でも医者になりたいんだけどどうやって申請すればいいんだろう」とか、もしくは「海外の医学部に在学中なんだけど日本で将来働けるのかな?」という方に向けて作られた本です。

ちなみに、海外の医学部への入学の仕方のノウハウ等は載っていません。

完全に「どういう風に厚生労働省に申請をしたら良いか」、申請の良い例、悪い例等が載っていて、その事に関しては具体的な説明が書いています。また、日本語診察能力調査のこのについても触れてあったり、ま予備試験の事についても述べてあります。予備試験は僕は受験しなかったので、内容は殆ど読みませんでしたが。。。

既に書類審査を受け、その審査に通過し、その過程を実体験で経験済みの自分としては、内容的にはこの本に物凄く目新しい事が書かれているとは言い難いですが(というか自分にとってはもう必要ない本)、やはりこういう紙媒体でそれなりに詳しく、具体的に書いてあるというのは今までなかったのでそういった意味では一部の人にとっては価値のある本ではないでしょうか。

タイトルが「元厚労省」と書いていて中々インパクトがあり、僕も「これ本当かよ〜」とか半信半疑で読んでいったのですが、内容を見ていくと、役所内部の人間、もしくは申請した本人しか持っていない書類などが本に掲載(流出?)されていたりして、「これ載せちゃって良いのかな?」なんて思っちゃいました。申請書類や外国の医師免許も名前は伏せてあるけど掲載してるし。。。

そんなBUBKA(c白夜書房)チックな本。。。でもないですが、海外医学部出身で日本の国家試験受験を考えている方は読んでも損はないと思います。

ただ付け加えると、この本でもその事について触れてありますが、今後更に申請の仕方などが変更になったり、申請制度自体が中止になったりする可能性もあるので、十分な注意が必要だと思います。また、こういった本があり、しっかり申請しても必ずしも国家試験が受けられる訳ではないという事に留意しておかねばいけませんね。。。


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September 18, 2011

受験資格認定に関するニュースなど

この前の書類審査の記事を更新しました。

一つの記事が非常に長くなりましたが、まぁ新しい記事を書いて、内容を分散させるよりも一つにまとめたほうが、良いかなと思います。

これで書類審査に関する事はひと段落ですな。


さて、インターネットで探していたらに関連するニュースや情報が少しあったので、興味のある方の為に載せてみます。

裁判所 行政事件裁判例 - 平成8(行ウ)252 医師国家試験予備試験受験資格認定処分取消等請求事件 平成11年06月30日 東京地方裁判所 その他

裁判所 行政事件裁判例 - 平成11(行コ)173 医師国家試験予備試験受験資格認定処分取消等請求控訴事件 平成13年06月14日 東京高等裁判所 その他

【最高裁判所事務局】

もう10年前以上にもなるのですが、中国出身の先生で、中国の大学医学部を卒業して来日し、医師国家試験受験資格認定の審査を受けたのですが、予備試験受験資格認定しか与えられず、それを不服として訴訟を起こした事件です。

最初の判決では、原告の請求は却下されていますが、東京高裁へ控訴して、勝訴し原判決を取り消す事に成功しています。つまり訴訟によって、本試験への受験資格が得られる事になったのです。判決が平成十三年で、最初の提訴が平成八年ですから、五年間もかかった事になりますね。。。

判決文には、厚生労働省による中国の大学医学部出身者に対する不当な差別などが指摘されていたり、またアメリカ、イギリス、フランスなどでの医師免許制度に関しても言及されています。そういった意味で、受験資格認定に申請する人は目を通しても良いのではないかと思います。

ちなみに、「我が国においては医師の過剰が予測される一方…」などと書かれていますが、何か時代を感じさせますな。。。この時は医療崩壊という言葉は殆ど使われていませんでしたし、当時(僕が高校生の時とかでしょうか)は日本では医師の数は過剰になる! と良く言われていたような気がします。

医師国家試験改善検討部会報告書 平成23年6月9日

【厚生労働省】

これは最近の話ですね。受験資格についても述べられており、別添の資料には国別の受験者の割合だとか、結構今まで知られてこなかった情報が載っています。

この資料のグラフによれば、大部分の予備試験認定者は中国の医学部出身者という事が明らかになっていますね。これは知りませんでした。

また、医師国家試験でOSCEの導入についても議論がされており、「日本語診察能力調査」をパイロット試験として、明確に位置づける事を検討するとの事。

もしかして、日本語診察能力調査が難しくなるのかな? どうなんでしょう。

この能力調査に関してはまた今度書きます。


あと、いくつか受験資格認定に関するブログもありますが、リンクの許可をもらってないのでまた今度にします(汗



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September 15, 2011

[書類審査] 申請書類

この前の記事の続きです。

4. 申請書類

以下の申請書類を厚生労働省医政局医事課試験免許室に提出すること。毎年3月末及び7月末に申請が締め切られ、書類審査が行われる。

(1)医師国家試験受験資格認定願 [様式例1(PDF
:45KB)]

これは普通に厚生労働省のリンクにある、PDFファイルをプリントして、書いていけば良いだけです。

本籍が日本で、東京都の場合は東京都と記入し、もし日本国外に国籍がある場合はその国の名前を記入します。外国の医師免許資格の有無もここに書き込みます。

(2)医師国家試験受験資格認定申請理由書 [様式例2(PDF
:36KB)]

PDFの様式例2にそって、記入します。

僕の場合、字が汚いという事もあって、様式例2と殆ど同じフォーマットの書類を作り、すべてWordで理由を打ち込んでそれを提出しました。あくまでも「様式例」なので、PDFに全て手書きで書かなければいけないというルールは無いみたいです。

理由ですが、まぁ小論文とまではいきませんが、具体的に記入していきましょう。

目的: 日本の医師免許が欲しいから。
必要性: 日本で働きたいから。
将来計画: 日本で医者になる。


こういったものよりも、個人個人の具体的な理由を書いていきましょう。

(3)履歴書[様式例3(WORD:70KB)(
PDF:59KB)、記入要領(PDF:93KB)](学歴については、日本の小学校に相当する学校から医学校まで、入学・卒業年次を各々の学校について西暦で記入すること。小学校から高等学校までの修業年数が12年未満の場合は、原則としてその事情が分かる書類を添えること。また、職歴についても出来るだけ詳細に記載すること。)

履歴書のフォーマットは厚生労働省が用意しているものを使うので、リンク先のWardファイルを使って作りましょう。記入例は「記入要領」に似たとおりに記入しましょう。

ここでは、もし小学校から高校までの修業年数が12年未満の場合は、書類を提出するとありますが、事情がわかる書類も提出しましょう。国によってはもしかしたら12年未満の所ももしかしたらあるでしょうし、飛び級などがある国もあるでしょう。

また、留年、休学、今までの就職など、申請者個人の評価に必要な事項もしっかりここで記入します。

(4)外国人登録原票記載事項証明書(日本国籍を有する者の場合は戸籍抄本又は戸籍謄本)

外国人登録原票記載事項証明書というのは要するに、外国人の為の「住民票の写し」みたいなものです。

まず、外国人の方で、日本に90日間以上滞在する人は、外国人登録法によりそれぞれの居住地の市役所・区役所などにおいて外国人登録をしないといけません。

この居住地は都道府県単位ではなく、市区町村単位で決定されます。例えば、東京都千代田区の場合は、千代田区役所で申請を行います。

外国人登録については法務省の「外国人登録関係手続」を参照して下さい。

外国人登録を無事済まされた方は、外国人登録証明書が交付されます。(写真つきカード型の証明書で、日本に居住している外国人には携帯義務があります。)

そして、その証明書を持って(もしくは運転免許証などを持っていって)、各居住地の役所に行き外国人登録原票記載事項証明書の申請を行います。

戸籍抄本、または戸籍謄本の申請に関しても、市区町村の役所で行われます。

戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)は基本的に申請した個人のみの戸籍事項を複写した証明書で、一方戸籍謄本は戸籍原本に記載されている全ての人の戸籍事項を複写したものです。なので、謄本には家族に関する情報も含まれる事もあります。家族の情報は、書類審査の申請にはあまり必要ありませんので申請するのは戸籍抄本で大丈夫です。

気をつけないといけないのは、申請する場所は、本籍に記載されている市区町村の役所で行わないといけないという事です。例えば、現在東京千代田区にに居住しても、本籍が北海道札幌市中央区の場合は、千代田区役所にて申請するのではなく、札幌市中央区役所にて申請を行わなければなりません。ただ、申請者が実際に本籍の役所まで赴く必要はなく、郵送で申請することも可能です。

詳しい申請のしかたは各役所のホームページを参考してください。また、もしかしたら市役所、区役所によって申請の仕方に若干違いがあるかもしれないので、申請する前に確認しておきましょう。

(5)医師の診断書 [様式例4(
PDF:53KB)](日本の医師資格を有する者により、申請前1ヵ月以内に発行されたものに限る。)

様式例4の書類をプリントし、日本の医師免許を有する医師に診断をお願いすればOKです。診断をする医師は、産業医である必要などはありません。

もし知り合いで日本の医師の方がいれば、その先生にお願いすればよいでしょう。詳しい検査は必要ではなく、とてもシンプルな健康診断なので時間はあまりかからないでしょう。

もし、そういった方が見つからない場合は、健康診断をしている医院やクリニックなどでお願いすることが可能です。電話などで問い合わせましょう。

また、こういった健康診断は国民健康保険ではカバーされないので注意しましょう。手数料としては数千円かかる事がありますが、まぁ書類申請の手数料と思ってあきらめましょう汗 (ちなみに書類審査自体は無料となっています。)

(6)写真 [様式例5(PDF
:39KB)](3枚;申請前6ヵ月以内に脱帽正面で撮影した6×4cmのもの。)

三枚必要です。

(7)外国で取得した医師免許証の写し

コピーが必要ですが、原本(original copy)も一旦厚生労働省に持ってくる事が必要です。(7)から(10)、また(16)は原本が必要なので、忘れずに!

また、(7)から(12)は、公的な機関からの証明が必要なのですが、それは後に説明します。

(8)外国における資格試験の合格証書の写し又は合格証明書

外国の国家試験合格証明書などのコピーが必要です。

前述のように、オーストラリアの場合国家試験を受ける必要が必ずしもありません。ただ、医師免許が交付される前に必要な、研修期間の評価に関する書類、研修修了証明書などがありましたので、それを提出しました。

(9)卒業した外国医学校の卒業証書の写し又は卒業証明書

もしかしたら、大事に保管する為に額などに収まっているかも知れませんが、コピーする為、また原本を書類審査の際に持っていかないといけないので、取り出さないといけないですね…

(10)卒業した外国医学校の暦年学業成績書の写し又は暦年学業成績証明書

もし、全ての学年での成績証明書が存在しなければ、大学の事務課などで申請して原本をもらわなければいけません。

(11)卒業した外国医学校の教科課程及び時間数を明らかにした書類

来ました。超面倒くさいシリーズ第一弾です。

教科課程(Anatomy, physiology, internal medicine)などの詳細と、それぞれの時間数を記載した書類を提出しなければなりません。

まずは在籍していた医学部の事務の方に、日本の医師国家試験を受験するために書類が必要であることを早めに伝えましょう。

もしこの様な書類が医学部の方で奇跡的に存在するのであれば、心配しなくても良いでしょう。しかし、この様な書類を全て大学が必ずしも用意してくれる事は無いと思うので、自分で正確に作成を行わなければなりません。

エクセルなどで、それぞれの列に、学年、教科課程の名前などを記入し、また教科ごとの時間数(週に授業や実験、実習が何時間あるかを計算し、それからそれをどれくらいの期間、週で行われるかを確認し、掛け算をすることで割り出します)を記載します。それを全ての教科で行い、表計算などで、医学部課程全体の時間数を表します。

(11)の書類例:

学年
学期
教科
教科の週ごとの時間(時間)
教科の期間()
教科の総時間数
備考
1
1
解剖学I
6
20
120
 
1
1
生理学I
4
20
80
 
  
()
    
1
1
解剖学II
6
20
120
 
1
2
生化学
5
20
100
 
  
()
    
6
2
内科学VI
30
22
640
 
     
医学部教科課程総時間数=5670時間
 


これは、あくまでも例で、それぞれの医学部のカリキュラムに合わせて、一番良い方法で作成していきましょう。また、上の表では日本語で記入してありますが、最初はその医学部の国の言葉(英語など)で記入しましょう。

※教科名は、大学によってはっきりと「解剖学」「生理学」「内科」「外科」などに分かれていない場合があります。こういった事はPBL(problem based learning)方式の医学部でありがちです。例として、PBLでは、「胸部の疾患」といった教科名の中で、Problemに関連する解剖、組織、生理、病理、内科、外科の範囲を学んでいくということがあります。こういった場合は、テーブルの「備考」の所に教科に対しての簡潔な説明文を添えると良いかもしれません。また、PBL方式の大学が書類審査に大きく響くことは恐らくなさそうです。僕の友人はPBL方式の医学部出身ですが、本試験の許可を得ることが出来ました。

さて、次に、その作成した書類を医学部の事務へ持っていき、申請者本人がこのカリキュラムにそって、医学部の教科課程を終えたことを証明してもらいます。

証明の形としてはシールやスタンプ、医学部事務の方のサインなどがありますが、とにかく自分で勝手にカリキュラムを捏造したことではないという事を証明しなければならないからです。このプロセスを経る事によって、この書類は大学医学部が正式に発行した書類という事になります。

これは後、「公的機関において真実である旨の確認」をする為に必要です。その事はまた説明します。

(12)卒業した外国医学校の施設現況書 [様式例6(PDF:18KB)](原則として当該学校で記入されたものであること。)

医学校のデータや大学病院のデータに関する書類です。

これも、まず医学部の事務、さらに大学付属病院(Teaching Hospital)の事務に相談する事が必要です。

大部分の医学部事務局では、リンク先のpdfの内容を翻訳しプリントして、「じゃ、これやっといてね♪」といっても放置されるのが関の山だと思います。

大変ですが、地道に一生懸命お願いして、医学部職員に関する資料だとか、病院に関する情報などの資料を集め、それをWordなどのファイルにまとめ、医学部の事務の人に(11)の書類と同じように、正式な書類としての証明をしてもらいましょう。

ちなみに、大学病院についてのデータですが、外国では、一つの医学部に付属病院一施設だけという括りは無いことが多いので(例として、Harvard Medical SchoolにはMassachusetts General Hospital, Brigham & Women's, Beth Israel Deaconessなどの複数のTeaching Hospitalがありますね^^)、どういった風にデータを入力するか、迷う事があるかもしれませんが、これはケースバイケースで考えてもらって良いと思います。僕の場合は大学の隣にあるTeaching Hospitalが比較的大規模な総合病院だったので、データの記入はその病院だけにしました。

また、場合によってはどうしても一部のデータが存在しない場合があります(どれだけの割合のスタッフがpart timeとか)。

そういった場合、すぐに書類審査に落とされるという事は無いと思いますが、厚生労働省の方に相談などをしたほうが良いと思います。

(13)外国で医師免許を取得した者にあってはその根拠法令の関係条文の抜粋

これも、読んでいてあまりピンとこないのですが、要するに、その国での医師免許交付制度がきちんと法律に基づいたものであるかどうか、という事を証明する為の書類といえます。

例えば、日本だったら「医師法第二条」の「医師になろうとするものは、医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。」という法令文が、この(13)の書類に相当することになります。

また、書類審査の認定基準に、国家試験制度の有無というのがありますが、もし試験制度が申請者の国に存在するとしたら、「その医師国家試験、もしくは免許試験が法律に基づいて行われているかどうか」、という事もこの書類にて明確にしたほうが無難です。

僕は、
この書類を提出しました。今となっては色々余計な事を書いてしまったなと思いますが、ご容赦ください。ほんの少しだけ参考にしていただければ幸いです。

(14)日本の病院等で研修している者の場合はその証明書

研修などを行った場合は、研修時の監督責任者の先生などにお願いして、証明書を発行していただきましょう。

ちなみに、研修をしていないと合格しないという事はないので安心してください。僕も書類審査時には全く日本で研修していませんでしたが、大丈夫でした汗

ただ、やはりこういった証明書も書類審査の一部として評価されますので、日本で医師として働きたいという方は、積極的に日本の病院の見学や、病院での研修を短期間でも行うことをお勧めします。

(15)卒業した外国医学校のパンフレット

どの学校にも必ずあると思います。僕は確か、大学全体のパンフレットと、医学部専用のパンフレット両方提出しました。

ちなみに、このパンフレットは翻訳や公的機関での証明が不必要です。

(16)日本の中学及び高等学校を卒業していない者の場合は、日本語能力試験1級認定書と成績書の写し

このブログを問題なく読んでる人は受かるはずです…笑

日本の中高を卒業し、大学から海外の医学部に留学した方などは免除されます。

※作成上の注意

1. 提出書類の部数は1部である。


提出書類の部数は1部で、原本の書類を除き、提出書類は戻ってこないので、事前に記録の為コピーを手元においておく事をお勧めします。

2. 添付書類のうち外国語で記載されているものは、全て日本語訳を添付すること。((15)を除く)。

パンフレット以外の全ての書類は、原則的に日本語訳が必要となります。

こういった翻訳作業は、自分で行うことも可能と思われるかもしれませんし、実際に全て自分個人で翻訳を行った申請者の方もいらっしゃいますが、場合によっては公式的な翻訳をお願いしないといけないケースもありますので、気をつけてください。

僕は、オーストラリア登録翻訳者制度、
NAATIに登録されている翻訳者に依頼して翻訳をしていただきました。

次でそのことについても少し説明をします。

3. (7)~(12)については、提出書類と日本語訳両方を、公的な機関(当該国の大使館、領事館、外務省等)において真実である旨の確認を受け、その証明を併せて提出すること。
(注意)当該国の大使館、領事館という記載につきましては、外国に所在する日本国の大使館及び領事館ではありませんのでご注意願います。

この文も分かりにくいですが、要するに(7)から(12)までの書類は、認証(
Legalisation)、もしくはアポスティーユ(Apostille)が必要という事です。

厚生労働省に外国の医学部に関する書類を審査の為提出する場合は、ただ原本からコピーをとって、それを翻訳して日本の厚労省に提出するだけでは残念ながら不十分です。

なぜなら、ただ単にコピーするだけでは提出する書類の真偽(本当にその原本や書類が大学医学部から発行された正式なものであるかどうか)が日本の厚労省にとって、判別出来ないからです。

これらの書類は海外の大学医学部が属する国の公的機関にて、正式な書類であるということの証明が必要となります。これによって、初めて外国医学部の卒業証明書、医師免許証などが真正のものであると日本国の公的機関(厚生労働省)でも認識されるようになるのです。

この証明のプロセスには二通りあります。

1.認証(Legalisation) - 「
公印確認(Authentication)」と「領事認証(Embassy/Consular legalisation)」の二つのステップ

「認証」(その過程として公印確認と領事認証の二つのステップがあります)は「外国公文書の認証を不要とする条約」(ハーグ条約)
加盟していない国で必要となります。非加盟国はgoogleなどで調べるとすぐ分かると思いますが、代表的な例としては中国などの国があります。

このツーステップでは、まずは公印確認が必要となります。

このプロセスで知っておかないといけないことは、「公文書(Official document)」、即ち国の官公署(Government and public offices)が作成した書類だったら、直接その国の外務省の担当機関に公印確認をお願いすることが出来るという事です。

ただ、医学部の事務の方にサインされたカリキュラムなどの書類、医学部の卒業証明書などは、公文書として認識されない事が多く(例えその大学が国立であっても)、またそれらの書類には日本語の翻訳文を含んでいることを考慮すれば、書類審査の為に公印確認を申請する書類は「私文書(Private document)」とみなされると言って良いでしょう。(私文書は私署証書とも言います。)

なので、すぐに外国の外務省に持っていっても公文書ではないのですから、公印確認の印は押してもらえません。押してもらうには、まず「
公証人(Notary public)」、もしくはそれに準ずる者による、「公証(Notarisation)」または「私署証書の認証」が必要となります。私文書は公証されることによって、法的に真正に成立したことになり、公文書と同じように、外務省の公印確認をうけることが出来ます。

さて、翻訳文も含めて書類は公証が必要となる訳ですが、国によっては、自分個人で外国語の書類の翻訳を行っても、翻訳した本人が公証人の前で宣言書に署名するなどをして、翻訳の正確性を宣言し、日本語訳の書類も全て公証してもらう事も可能です。

ただ、登録翻訳者制度(例:オーストラリアのNAATI)や公式翻訳制度などが存在する国で、公証や公印確認、もしくはアポスティーユを申請する時は個人の翻訳だけでなく、登録翻訳者による正式な翻訳、もしくは署名が必要な場合もあるかもしれないので、事前に調べたりその国の公証人に尋ねて下さい。

無事に公証を終えたら、今度は当該国の外務省の担当部署に公認確認をお願いします。

そして、公印確認を終えたら、今度は領事認証が必要です。これは第二のステップですね。

このプロセスでは、医学部を卒業した国に存在する日本大使館、もしくは領事館にて、担当領事がその国で公印確認を受けた書類の真正性を証明するという事です。

例えば、中国の医学部を卒業したとしたら、公印確認を受けた後は北京にある在中国日本国大使館などで領事認証を行います。

領事認証が終わったら、これらの書類は日本国においても公文書と同じように法的に真正であることが認められます。つまりやっと厚生労働省に提出出来るわけです。

要約すると:

書類を集める->日本語訳を用意->公証->公印確認->領事認証

になります。

どうです!? 超絶にめんどくさいでしょう!?

2.アポスティーユ

アポスティーユは、簡単に言うと絶望的に面倒くさい一番目のプロセスを少し簡略化したものですが、このプロセスを実行出来る国は上記した
ハーグ条約に締約している国に限られています。

これを見ると、先進国、欧米諸国は殆ど加盟しているみたいですね。勿論日本も加盟しています。

アポスティーユを頼む時でも、公証人による公証までのプロセスは一緒です。

ただ、公証を得た後は、当該国の外務省に公印確認では無く、アポスティーユを申請します。アポスティーユは「付箋による証明」とも言われ、証明が行われた後は印としてその国の政府公式の付箋やシールなどが書類にアタッチされます。

アポスティーユされた書類は、そのまま厚生労働省に提出しても大丈夫です。日本の在外公館での「領事認証」はこの場合必要ではありません。

要約すると:

書類を集める->日本語訳を用意->公証->アポスティーユ

になります。

まだまだ面倒ですよね…汗

あと、証明の手続きにおいて気をつけたほうが良いという事を下にまとめました。

※公印確認と、アポスティーユに関する詳しい説明は、外務省の
各種証明・申請手続きガイドなどを参考にして下さい。また、国によってプロセスが違う可能性が十分ありますのでご注意願います。

※厚生労働省の「作成上の注意3」には、具体的に「認証」や「アポスティーユ」が必要とは記されてはいません。なので、完全な「認証」のプロセスを経る事は不必要かも知れず、もしかしたら外国の外務省での「公印確認」や外国の公証人による「公証」だけでもOKなのかもしれません。それでも念のため事前に厚生労働省に相談したほうが良いでしょう。

※また、くれぐれも認証、アポスティーユの手続きは、日本ではなく、当該国の大使館、領事館、外務省で行ってください。日本の公証人や外務省を訪ねても、証明の手続きは行えませんので注意してください。

※それぞれの国で、もしかしたら認証やアポスティーユを全て代行で行う業者が存在するかも知れませんが、こういった業者に頼む場合は自分で申請を行うよりも比較的高い値段がかかる場合もありますので、十分気をつけてください。

4. (7)~(10)及び(16)の書類については、各原本を持参すること。(原本は照合後に返還する)

原本が必要な書類は以下の通りです:

(7)外国で取得した医師免許証
(8)外国における資格試験の合格証書又は合格証明書
(9)卒業した外国医学校の卒業証書又は卒業証明書
(10)卒業した外国医学校の暦年学業成績書又は暦年学業成績証明書
(16)日本の中学及び高等学校を卒業していない者の場合は、日本語能力試験1級認定書と成績書

厚生労働省にこの原本を持っていきます。写しの書類の照合が終わったら、すぐに原本は返してくれます。

5. 認定申請は必ず申請者本人が行い、郵送、代理による申請は受理しない。
申請のため試験免許室に来室する場合は、日時について必ず担当者の約束を取り付けること。約束がない場合、対応ができないことがあるので注意すること。


いかがだったでしょうか。

これをみたら書類審査がいかに面倒くさいことか、お分かりいただけるだろうと思います。

一応、ネットで公開するということで、出来るだけ書類審査でトラブルが起きないように準備をするための方法をここに残しました。なので、もしかしたら準備周到すぎるなやり方になっているかも知れません。ただ、厚生労働省でも、この書類審査を担当する人は毎年変わったり、また人によっては厳しかったりする可能性も無いこともないと思うので、そういった事を踏まえてこういった方法を公開しています。

また、「このブログに書いている事をすれば必ず書類審査は通るんだ」という事ではないので気をつけてください。この事ではいかなる責任も負いかねますのでご了承ください。



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September 09, 2011

[書類審査] 書類審査の認定基準

今回は認定基準についてです。

前回の記事

3. 書類審査の認定基準

 国家試験受験資格認定国家試験予備試験受験資格認定
外国医(歯科医)学校の修業年数  
 医(歯科医)学校の入学資格高等学校卒業以上(修業年数12年以上)
医(歯科医)学校の教育年限(注)6年以上

進学課程 2年以上

専門課程 4年以上

(インターン期間については教育年数に算入しない)

5年以上

専門課程 4年以上

(インターン期間については教育年数に配慮する)

医(歯科医)学校卒業までの修業年限18年以上17年以上
専門科目の授業時間4,500時間以上で、かつ一貫した教育を受けていること3,500時間以上で、かつ一貫した教育を受けていること
医(歯科医)学校卒業からの年数10年以内(但し、医(歯科医)学教育又は医(歯科医)業に従事している期間は除く)
専門科目の成績良好であること
教育環境大学付属病院の状況、教員数等が日本の大学とほぼ等しいと認められること大学付属病院の状況、教員数等が日本の大学より劣っているものでないこと
当該国の政府の判断WHOのWorld Directory of Medical (Dentistry) Schoolに原則報告されていること
医(歯科医)学校卒業後、当該国の医(歯科医)師免許取得の有無取得していること取得していなくてもよい
当該国の医(歯科医)師免許を取得する場合の国家試験制度制度が確立されていること制度が確立していなくてもよい
日本語能力日本の中学校及び高等学校を卒業していない者については、日本語能力試験1級の認定を受けていること

(注)大学院の修士課程、博士課程等は算入しない。

外国医学校の修業年数

医学校の入学資格:
殆どのケースでは医学部は高校卒業後、もしくは学士入学をするので大丈夫ですね。小学生1年生の時から12年以上修業年数が必要という事です。飛び級とかする子供は海外では珍しくないのですが、こういった場合で年数が12年未満になったらどうなるのかは分かりません… そういった特殊なケースは厚労省に相談したほうが良いでしょう。

医学校の教育年限:
日本の医学部は、学士入学出来る大学(例 - 阪大など)を除いて6年制です。その6年のうち、最初の2年間は一般教養、そして3年次から医学部の本格的な課程に入るというカリキュラムが一般的です。従って、海外でのカリキュラムでも同等のものが存在するということが条件として挙げられています。

ただ、実際には6年制の海外の医学部では最初の2年間は進学課程、3年生から6年生までは専門課程と明らかな線引きをしている所は少ないと思います。一年目から専門的な解剖学や生理学を学ぶ医学部も多いでしょうし、2年生以降でも、進学課程がカリキュラムに組み込まれている所もあるかもしれません。そういう所は厚労省もそれぞれの大学の教育システムも考慮してくれるようで(もしそこを厳しく審査してしまったら恐らく本試験認定をもらえる人はごくわずかになってしまいます汗)そこまで心配しなくても良いかもしれません。また、良く考えたら、日本の医学部だって、1年、2年の時から少しずつ基礎医学を学んだり、ベッドサイドティーチングをする所もあるでしょうし、はっきりと線引きをしている所は少ないのではないでしょうか。ただ、提出する書類の中で、きちんとどの教科を履修したか、出来るだけはっきりと書いておく必要はあると思われます。

また、アメリカのメディカルスクール方式だったら、6年制ではなく、4年制になるのが殆どですが、これも殆どの場合心配ないと思います。すでにUndergraduate courseを修了して医学校に入学するので、このcourseが進学課程としてカウントされます。前述のように、日本でも学士入学が出来る所がありますので、結局それと同じようなものとみなされます。オーストラリアでも、6年制、学士入学の4年制の医学部がありますが、4年制の医学部を卒業した日本人でも書類審査はちゃんと通っています。

イギリス、オーストラリアなどでは5年制の大学も少なからず存在します。この様な場合、6年以上では無い為、表を見る限り予備試験を受けないとならない事になってしまいますが、こういった場合も厚労省に相談することが必要だと思います。5年制の大学は、確かに1年カリキュラムが短いですが、その分休みの期間が少なかったり、密度の高い課程だったりするので、一概に5年制の医学部が6年制の医学部よりも劣るとは言えない気もするのですが…

なお、インターン期間について言及されていますが、国(確かフィリピンなど)によっては医学部最終学年がインターン期間として実際に働かないといけないというシステムもありますので、そういった場合にそのインターン期間はカリキュラムの一部として、予備試験受験認定のほうでは考慮されるという事みたいですね。

医学校卒業までの修業年限:
これはまぁ、医学校の入学資格と同じ要領ですね。小学1年生から医学部卒業までの年数を示しています。

専門科目の授業時間

提出する書類の中で、卒業した外国医学校の教科課程及び時間数を明らかにした書類を提出しないといけませんが、その中で記されている全過程の時間数が本試験受験の場合は4500時間以上である必要があります。予備試験は3500時間以上のようです。

医学校卒業からの年数

卒業から10年以内と示されていますが、10年以上でも、医学教育や医業に携わっていた年数はカウントされないので、多分殆どの人にとってこの事項は心配いらないと思います。

専門科目の成績

「良好であること」という事が条件のようです。

でも、自分は成績があまり良くないから駄目かも! とか早まらないで下さい。ここでいう良好というのは、別に主席などの特別優秀な成績をおさめて卒業という訳ではなく、恐らく「大きな問題を起こさず留年もあまりせず無事に卒業」としてとらえてもらった方が良いかもしれません。

僕の知り合いでも、最初のほう語学的な問題で一年留年した人もいますし、そういう人でも問題なく、書類審査は通っているのでそこまで心配しなくても良いのかもしれません。多分、まったく留年せずに卒業することが出来るようなレベルだったら殆ど問題は無いと思います。

日本だって、医学部で留年する事は珍しくないですし、一年留年したからって「国家試験を受ける資格を停止します」なんて言われる事はないですもんね。

ただ、何年も留年した、などの事があったら問題になるかもしれませんね。こればっかりは何とも言えませんが…

教育環境

書類審査を受ける際、施設現況書というのを作成、提出しないといけません。書類の事についてはまた詳しく後ほど述べますが、要するに教育の環境はどのようなものであるか、また大学病院はどのような規模であるかという事を報告する為のドキュメントとなっています。

この評価で、大学付属病院の状況、教員数等がほぼ等しいと認められたら、本試験ですが、劣っているものでないと判断されたら予備試験となります。

なんか結構言い回しが曖昧ですよね…

当該国の政府の判断

WHOのウェブサイトにリストがありますので、googleで探して確認してみてください。大体の医学部は勿論カバーされていますが、新設医学部などはもしかしたらすぐには掲載されないかも知れませんので気をつけてください。

医学校卒業後、当該国の医師免許取得の有無

前の記事でも書きましたが、卒業した医学部の国で、医師免許を取得しないと、本試験を受けられない事になりますので、気をつけて下さい。

当該国の医師免許を取得する場合の国家試験制度

本試験を受ける為には、当該国において国家試験制度というものが確立されている必要性があります。

アメリカは勿論USMLEが国家試験としてみなされますし、ドイツなどの国でも国家試験が何段階かに分かれて存在します。

イギリスとオーストラリアは特殊なシステムで、実は医学生卒業生全てが受験する医師国家試験というものが存在しません。

前に書いた記事にも、この事を触れていますのでもう一回記事のリンクを貼っておきます。

http://usmle.livedoor.biz/archives/988646.html

イギリスでは、GMC、オーストラリアではAMCという公的機関が存在し、それぞれの国の医学部のカリキュラムを評価し、妥当とみなした所を正式に医学部として認定し、卒業後に研修許可を与えるシステムです。ただ、ある一定の研修を修了し、さらに研修医としての評価に合格しないと正式な医師免許は得る事が出来ないという事になっていて、卒業後全く無試験で医師免許を貰えるという事ではないといえるでしょう。

また、イギリスではPLAB試験、オーストラリアではAMC試験と言って、現地の医学部を卒業していない海外医学部出身者達が受けなければならない試験がありますので、そういった意味でも、両国では医師免許試験制度が確立されていると言っても良いのではないでしょうか。結局、イギリスの大学医学部やオーストラリアの大学医学部出身の知り合いは知ってる限り、全員本試験に進んでいるので、書類審査的に見てもOKという事なのでしょう。

一方、まったく無試験で、医師免許を付与される国の医学部を卒業されたのであったならば、もしかして予備試験を受けなければならない事になるかもしれませんね。

日本語能力

最後に、日本語能力ですが、これは外国人の方や、日本で高校を卒業しなかった方への対象となっています。

日本語能力試験は主に日本語を母国語としていない外国人の為の試験です。詳細はウェブサイトを参考にして下さい。

http://www.jlpt.jp/

実は僕も受けました… 日本人なんですけど、日本の高校を卒業していないという事で… これの一級を合格しないといけないんですが、日本人にとっては文字通り楽勝ですが、外国人の人達にとっては結構な難関みたいです。

一昨年受験した試験会場では、かなりのアジア人、特に韓国の方や中国の方がいました。チマチョゴリとかを着ている女子学生とかも結構いたのですが、あの子達は朝鮮学校の高校生だったのでしょうか。とにかく意外にも日本語を学ぶ人たちが沢山いるみたいで、正直びっくりしました。

次へ続く



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[書類審査] 審査方法

この前の記事の続きです。

2. 審査方法

審査の結果として、
(1)医(歯科医)師国家試験の受験資格を認定される場合、
(2)医(歯科医)師国家試験予備試験の受験資格を認定される場合、
(3)その両方が認められない場合、がある。


前にも書きましたが、書類審査で何がとにかく重要かと言えば、書類審査に無事通って、日本語診察能力調査に合格し、本試験を受ける為の医師国家試験受験認定をもらう事ですね。

ただ、申請する誰もがこの道を通るとは限らず、書類審査の結果によっては、国家試験を受ける前に予備試験を受けないといけない、といった事もあります。

また、最悪の場合、予備試験さえも受験できない、といった事もあります。殆どの国ではこういった事は起こらないと想像しますが、医学部の教育レベル、環境などがあまりにも日本のそれとかけ離れていたりするとそういった事もあり得るのでしょうか。

(1)国家試験受験資格認定
書類審査及び日本語診療能力調査の両方の認定基準を満たした者に対して医(歯科医)師国家試験受験資格認定を行う。

書類審査(申請締切:3月末又は7月末)
     ↓
日本語診療能力調査(10〜11月頃)
     ↓
国家試験受験資格認定
     ↓
医(歯科医)師国家試験 (2月頃)

(2)国家試験予備試験受験資格認定
書類審査の認定基準を満たした者に対して医(歯科医)師国家試験予備試験受験資格認定を行う。国家試験予備試験受験資格認定を受けた者は、その後予備試験を受験し、同試験に合格してから、更に1年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練の後に、医(歯科医)師国家試験が受験可能になる。

書類審査(申請締切:7月末又は3月末)
     ↓
国家試験予備試験受験資格認定
     ↓
予備試験(6〜11月頃)
     ↓
1年以上の実地修練
     ↓
医(歯科医)師国家試験 (2月頃)


これは大体のスケジュールです。
3月末、もしくは7月末の締め切りと二回締め切りがありますが、(1)の場合は、3月末に提出しても、7月末に提出しても、どちらの場合でも大体9月頃に書類審査の結果が出て(無論、結果の日程は年によって多少変わるかもしれません)、10月頃にある日本語診察能力調査にのぞみます。そしてそれを合格したら晴れて来年2月の本試験を受験するわけです。

「結局結果が9月頃に出るんだったらわざわざ三月に提出しなくてもいいじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、これはまぁ厚生労働省としても、一年に一回、全ての書類を評価するよりも、出来るだけ二回に分散させて書類審査のプロセスを行う、という方が理にかなっていますし、またこういった事は7月の直前に焦って書類を集める、などということをするよりも早め早めに用意する方が良いでしょう… (と、7月30日締め切りぎりぎりに霞ヶ関に行って提出した僕が偉そうに言える事では決してないのですが汗)

ただ、(2)の場合でしたら、3月末と7月末に書類提出するのでは少しプロセスが変わってきます。

予備試験というのは、6月頃から始まりますので、3月に提出したらそのまま同年6月に予備試験を受けられると思いますが、7月に提出するとなると、その年の予備試験は受験できず、一年弱待ってそれから来年の6月に受験する事になります。

ちなみに、今年(2011年)の予備試験のスケジュールは以下の通りです:
(1)第1部試験(筆記試験) 平成23年6月20日(月曜日)
(2)第2部試験
ア 筆記試験 平成23年9月16日(金曜日)
イ 実地試験 平成23年11月14日(月曜日)

予備試験というのは、合格率が約10%の試験で、しかもその後1年間の実地修練を受けないといけないという事なので、僕としては聞いただけであきらめてしまいそうです。何とか受けずにすみましたが…

次へ続く


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[書類審査] 審査対象者

前回の記事

お久しぶりです。久しぶりにブログをチェックしたらコメントが残されているのに気づきました… 相変わらずの更新頻度でもうしわけありません汗

メールもすみません。ちょくちょくオーストラリアの医師免許についての問い合わせなどが来るのですが、出来るだけ早く取得方法についての記事を書きたいと思っています…

さて、中断してた書類審査の続きですね。厚生労働省の『医師・歯科医師国家試験受験資格認定について』のサイトから転載をして、その中から説明していこうと思います。歯科医師国家試験も、一緒に書かれていますが、ここでは医師についてのみ説明します。前にも書きましたが、どうしたら医師国家試験の受験資格を得ることが出来るかを自分の経験や聞いたことをまとめていきたいと思います。

この書類審査に通った方で、「面倒くさかった」「どうすればよいのか全然分からなかったよ」と思ったいた方が僕も含め非常に多かったので出来るだけ丁寧に書きたいと思っています。

1. 審査対象者

外国の医(歯科医)学校を卒業し、又は外国において医(歯科医)師免許を得た者

上にある通り、この審査は外国の医学部を卒業した人の為のものです。従って、日本の大学医学部、医学校のカリキュラムを修了し、卒業した人には医師国家試験の受験資格がありますので、この受験資格認定については心配する必要はございません。

ここで気になる質問が一つあります。「どの国の医学部を卒業しても良いの?」という質問です。

これについては難しい問題だと思います。これについては厚生労働省も明言は一切しておらず、はっきりした答えはありません。あくまで、個別の審査という事になっています。どうも「この国の医学部はOKでこの国の医学部はNG」という風にはっきりと線引きしてしまうと色々と「外交問題」になったりするなど「大人の事情」があるらしいという事を人づてに聞いた事がありましたが真相はどうなのでしょうか。

実際、日本語診療能力調査という日本語での診察能力を試す試験(国家試験受験資格認定での調査の一つ、書類審査が終わった後に行う)の会場や、本試験での会場では様々な国の人がいましたので、(アメリカ、ヨーロッパ、アジア、南アメリカなど)僕の印象では、アメリカ、イギリスなどの限定した国の医学部を卒業していなくでも本試験は受けられるのかな、と感じました。

ただ、例え「個別の審査」とした所でも、審査内容には医師免許に関する制度、大学病院などのインフラストラクチャーについての評価もありますので、そういった面では、医学教育システムがより成熟している所謂「先進国」の方が有利と言えるのではないでしょうか。実際、アメリカ、イギリスの医学部卒業の方で書類審査に落ちた、という方は今まで聞いた事はありませんし、またオーストラリアの友人も、全員何だかんだで特に大きな問題もなく書類審査には通っています。

また、厚生労働省のウェブサイトに掲載してある最初の方の文章では

○ 最近、卒業後に日本の医師国家試験の受験資格が得られる旨認可を厚生労働省から受けていること等を示して、外国の医科大学(医学部)・歯科大学(歯学部)への入学を勧誘する広告を行っている例が見受けられますが、厚生労働省は、外国の医学校を卒業した方から、医師国家試験の受験資格認定の申請があった後に、当該申請者個々人の能力や、当該申請者が受けた教育等を審査することとなっており、海外の医学校等に対し、当該医学部の卒業生への医師国家試験の受験資格を一律に認定することはありません。

○ このため、こうした海外の医学校等を卒業されても、日本の医師国家試験の受験資格が認められないことが十分想定されますのでご注意下さい。


と注意を促しています。

これは恐らく、以下の様な記事が新聞記事/広告として出回ったからかもしれません:

ハンガリー国立大 医学留学生を募集

ハンガリーの国立大三校の医学部が、日本からの留学生計約三十人を受け入れる。対象は高卒か今春卒業見込みの学生で、入学は今年九月。予備コース(一年間)と医学部(六年間)で各五名ずつ募集する。厚生労働省は「ハンガリーの国立大の場合、医師国家試験受験資格はおそらく得られるだろう」としている。

2006/02/22 【日本経済新聞】

僕が医学部受験をしていた高校生の時(もう10年くらいも前の話です…)はまったく聞かなかった話なのですが、現在では海外の医学部、特に東欧の医学部に入学するための留学斡旋業者などがいるようです。そういった事を聞き始めたのは5-6年前からでしょうか? 今ではそういった風に海外の医学部に留学することが格段に珍しい事では無くなってきたのかもしれませんが、現段階ではそういった医学部を卒業して、確実に国家試験の本試験を受験できるかどうかは不明な点が多いと思います。

さて、では海外の大学医学部を卒業していれば、後は資格の面ではまったく問題がないかといえば、そうとは言えません。後にもまた述べますが、海外での医師免許を取得しているかどうかというのも大きなキーとなっています。もし、現地の医師免許を取得していなかったら、書類審査に合格できず、予備試験を受験しないといけないという事になってしまう可能性が高くなるからです。

大抵の国では医学部を卒業後、直ちに医師免許を付与される所は多くないと思います。例えばアメリカでは、USMLEのステップをStep 1, Step 2 CK, CSと大学在学中に合格しても、すぐに卒業後米国の医師免許をもらえるわけではありません。やはり、インターンやレジデント等の一定の期間を研修し、Step 3を無事合格することで、それぞれの州での医師免許を得ることが出来ます。(ちなみにアメリカ以外の医学部卒業者がまず必要なECFMGはレジデンシーをする為の資格のようなもので、厳密にいうと、医師免許では無いと考えられます)

オーストラリアも同じで、医学部を卒業後は仮免許のようなものをもらえますが、その免許はProvisional registrationと言って、研修医として監督下での医療行為でしか許されていません。一年間の研修の後、研修医の評価があり、それにパスするとやっと正式な医師免許の許可(general registration)がおりるというわけです。豪州は英国連邦の加盟国という事もあり、イギリスの医師免許のシステムも自ずと似たようなものになっています。

つまり、この書類審査に望む前に、現地の医学部で医師免許を取得しないといけないという関門がありますので、一年、もしくはそれ以上の期間を海外で過ごさないといけないという可能性は国によっては高いと思います。

また、国によってはその国で医師免許を取得するための免許試験の様なものもありますし、言語などの問題で合格するのが難しいということもあり得るのではないでしょうか。

また、ここで気をつけないといけないのは、あくまで医学部を卒業した国での医師免許が必要ということです。例えば、イギリスの大学を卒業して、イギリスで研修をせず英国の医師免許を取得しないままアメリカの医師免許を取得して、この国家試験の書類審査を受けても、うまく受験資格を得る可能性は非常に低くなると思います。ある知り合いから聞いた話ですが、実際この事が問題で、医学部を卒業した国に戻り、その国での医師免許を得るために研修をやり直さないといけない事になった先生がいたみたいです。

次へつづく



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February 19, 2011

[書類審査] はじめに

さてさて、さっきのブログで触れた医師国家試験受験認定資格についての記事です。今までブログでこのトピックに関する情報がまだまだ少ないので自分も記憶が風化しないうちに書いておこうと思いました。

医師国家試験受験認定資格というのは、つまり医師国家試験を受験する事が出来る資格です。

何故こんな資格が必要なのかというと、実は海外の医学部を卒業した人は日本の国家試験を受験する前に、書類審査や、日本語診察能力調査など色々なプロセスをくぐり抜けてやっと医師国家試験を受験する資格を得る事が出来るのです。

しかも、そういった審査にApplyした人の全てが無事に直接医師国家試験を受ける資格を得ることはなく、海外医学部の卒業生の中には医師国家試験予備試験といって、合格率が本試験に比べかなり低い試験(約10%)を一年間の実地修練の後に受験しないと本試験が受けられないといった方もいます。

(ちなみに日本の医学部をもし卒業した場合には、本試験を勿論書類審査無しで受験出来ます。)

この審査は、厚生労働省が直接行い、以下のウェブサイトに詳細が載っています。

厚生労働省:医師・歯科医師国家試験受験資格認定について

これを見ると、外国の医学部を卒業した人が日本で国家試験を受験するためには大まかにいうと、二通りありますね。

1.三月末か、七月末に書類審査にApplyし、その審査を通過し、日本語診察能力調査を合格し、医師国家試験を受験する。

2.同じように書類審査を提出するが、医師国家試験を受験する資格を得られずに医師国家試験予備試験を受験する資格を得る。予備試験を合格した後は一年以上の実地修練(診療もしくは公衆衛生に関する修練らしいです)を終える時に医師国家試験の受験資格を得る。

まぁ当たり前ですが、1.の方が良いのは当たり前ですよね〜
1.の方を進むためにはとにかく、最初の書類審査を突破しないといけません。この受験認定で一番実は大切なのは、この書類審査だったりします。

次へつづく



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November 04, 2010

[ニュース] 問題ミスで3人追加合格 医師国家試験の予備試験

お久しぶりです^^

今回の更新は三ヶ月ぶりでしょうか。
うーん。。。まぁ一年間も放置していた時もあるので我ながら結構頑張ったな、なんて思ったんですけど違いますよね笑

相変わらず僕は同じ病院でレジデント(またの名を雑用マシーン)として勤務していますが、今年は来年の二月に実施される第105回医師国家試験の勉強に追われています。

海外の医学部卒業者にとって日本の医師免許を取得するのは大変で、まず、
医師国家試験受験資格認定というものを受けなければいけません。
その為には書類審査や、日本語診察能力調査というのもあって面倒なんですね。

今日厚生労働省から書類が届いて、無事にその認定がおりました。^^

また機会があれば詳しく説明したいと思いますが、その書類審査や日本語診察能力審査の結果しだいでは「医師国家試験予備試験」という試験を合格して、さらに1年以上の実地修練を経てからじゃないと本試験を受験出来ない(つまり日本で医者になれない)という可能性もあったので、認定書が届いてほっとしています。

この予備試験というのが結構曲者で、合格者がとても少ないという事が知られています。大体聞いたところによると合格率は10%辺りの様ですので、90%くらいの医師国家試験本試験とは大違いです。世の中、受からせる試験と落とす試験と二つあるみたいですが予備試験は明らかに後者の様です。

基本的には厚生労働省としては「予備試験を受ける人は医者にさせないよ」というスタンスがあるのかな、なんて邪推してしまいます。

まぁ海外の医学部を卒業したらすぐに日本の国家試験を受けられる、なんて事になったら問題も起こりそうですが。(多分広い世界の中には日本の様な厳しい入学試験や学力審査もなく、簡単に入学出来る医学部も一生懸命探したらあるのでしょうし) なので、いくら日本の医療問題や医療従事者の給料と待遇の低さが表面に出ても、医師になりたい人はごまんといると思うので、色んな面で制限する事も分からなくは無いですが。。。 審査は兎に角、面倒くさかったです笑

下はもう2週間前のニュースですが、その時は日本語診察能力調査の直前だったのでそんな事を考えながら緊張していました。72人中8人合格(合格率約11%)は厳しゅうございますね。。。

問題ミスで3人追加合格 医師国家試験の予備試験

厚生労働省は21日、今年の医師国家試験の予備試験で問題にミスがあり、不合格者3人を追加合格にしたと発表した。合格から不合格になった人はいない。

厚労省によると、予備試験は6月に行い、72人が受験。文章があいまいで複数の選択肢が正解となった問題が3問、誤った選択肢を正解にしていた問題が1問あった。さらに、6人の答案に採点ミスが見つかった。

予備試験は、外国で医学部を卒業したり、医師免許を取得した人のうち、修学年数が6年に満たない人などが対象で、合格すれば日本の医師国家試験を受けられる。

7月に5人の合格が発表されたが、9月末に不合格者の一人から指摘がありミスが判明。指摘した人を含む3人が追加合格となった。厚労省は「再発防止に努める」としている。

2010/10/21 22:16   【共同通信】 


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